8月 18th, 2008のアーカイブ
印刷とウェブ(データベース)
印刷はできあがった時点で過去になる
印刷の反対はなんだろうかと考えてみた。最初に思ったのが印刷物は点であるということだ。印刷する瞬間の情報しか伝えることができない。直後に訂正が入ったとしても一旦プリントしてしまえば、刷り直すのは大変だ。つまり、いつ、その情報を出力するかという判断が必要になるということだ。そのタイミングを逸すれば即損失となる。
最近、過去の印刷物のアーカイブをPDFで作れないかとの問い合わせがあった。確かにそのようにすれば、検索も可能になる。しかし、リアルタイムじゃない。いつの時点でアーカイブ化するかと言ったら、その情報が必要でなくなったときだ。後生大事にとっておくべき情報だろうか。いつその情報を参照するのだろうか。
そう考えると、印刷の反対側が見えてくる。データベースだ。ここで言うデータベースとはウェブも含めたデータの集合体という感じ。
以下、ざっと思いつくままに箇条書きにしてみた。
- 印刷
- 廃棄・消費される
- アーカイブが困難
- 検索が困難
- 点
- 静的
- 流通コストがかかる
- 在庫コストがかかる
- データベース(ウェブ)
- 蓄積される
- 検索が容易
- 線
- 動的
- 流通コストがゼロ
- 在庫コストが極小
印刷物が常に過去の一点を具現化しているのに対して、データベースは常に現在の情報を書き込み、引っ張り出している。データベースがインターネットにつながれたのが、すなわちウェブなんだと思う。インターネットに繋がれていないデータベースは特定の誰かしかアクセスできない。そうであれば広く配布可能な印刷物との比較にはならなかっただろう。
ウェブ組版?
組版というのは印刷用の版を組むこと、すなわち台割り・レイアウトのことを言うが、その生成作業の自動化というのは何も目新しいことではない。しかし、元となるデータをウェブと共有するとなると、データベースを使った自動組版で「点」の情報を吐き出すことにどれほどの価値があるのか疑問だ。
紙の良さは確かにある。けれども、それはどちらかというとエモーショナルな点で感じている良さだという気がする。例えばブログを印刷製本するというサービスがあるが、その動機には自分の記録を残しておきたいというウェットなものの方が大きいように思う。
もっとドライに実用性や機能性といったものを考えた場合には、今の時代感覚でいうと印刷というのは遅すぎやしないか。すでにユーザの側でプリントする力を持っていることを考えると、写真のプリントがデジカメにとってかわられたようなことは確実にやってくるように思う。つまり必要なときに必要な量だけ(オンデマンドで)ユーザが印刷するということだ。